2012年2月11日(土)
今月2月マガジンハウスから発売の雑誌「クウネル」にはモラヴィアのおばあちゃんのおしゃれについて記事が掲載されています。今回コーディネートとして参加した際の写真を公開します!
訪れたのは、モラヴィア地方の小さな村。そこに住むルドミラおばあちゃんは近隣の村からの民族衣装縫製の注文や相談がくる村一番の縫い物のベテラン。ほとんど一生涯にわたり今でも毎日ちくちくと針を刺します。
お宅を訪問し、おばあさんのお仕事を見せて頂きたいとお願いすると、出てきます。段ボールにしまってある縫いかけの民族衣装の帽子です。
箱の中から出てきたのは、縫いかけの帽子やベスト。隣の村の人々から注文を受けて沢山の帽子を作ってきました。
毎日毎日仕事をします。キッチンの赤いソファーがいつもの定位置なんだそうです。
一年になんと100個ほどの帽子を仕上げる時もあるというベテラン。慣れた手つき。マニュアルは頭の中。
ルドミラおばあちゃんの専門は民族衣装の帽子ですが、もちろん他にも色々なものを縫われます。こちらは人の民族衣装と全く同じ手間をかけ縫うお人形のスカート。
おばあちゃんの手仕事の美しさに大興奮の私たち。そんな様子に数軒先のおばあちゃんの作業場にある他の衣装を見せて頂けることに。うかがう途中道ばたで目にするのは私たち日本人にはおとぎ話の世界のようなのどかな風景。
おばあちゃんの後を追いおばあちゃんが以前住んでいたもう一つのお宅に向かいます。
こちらがおばあちゃんの以前住んでいたお宅。今は生涯をかけて縫われてきた大切な衣装部屋になっています。
「全部私が縫ってきたものよ。」と次から次にうっとりするような衣装を見せて頂きました。こちらのエプロンはお祭り(パレード)の時につける一段と豪華なもの。気の遠くなるような時間を費やしてひと針ひと針丁寧に作り上げられています。
タンスからは色の洪水が溢れ出るよう。刺繍ももちろんおばあちゃんのお仕事。
お庭の木になる小桃もごちそうになりました。「そのまま捥いでお口に入れなさい。」とお茶目に笑うルドミラおばあちゃん。
今でも毎日民族衣装を縫い続けるモラヴィアのルドミラおばあちゃん。一人の女性からこんなにたくさんの素晴らしい作品が生まれることに感動しました。衣装部屋の明るさの様に、おばあちゃんにも明るい雰囲気と優しさが溢れていました。また、いつかゆっくりおばあちゃんのタンスの中見せて頂ける日がありますように。モラヴィアのおばあちゃんたち、いつまでもお元気でいてほしいと思います。