漂流家族?
2026年1月26日 月曜日

この週末はバーボフカ主人の友人がスケートに行くので一緒にどう?と誘ってくれたので、お言葉に甘え便乗してご一緒して来ました。

行った場所は我が街ナーホドから車で10分ちょっとのところにある大きな人工池(貯水ダム)、ロシュコシュという湖です。池がここのところ続いた寒さで全面凍っていて、そんな時にはアイススケートを楽しむのがいいんだということで・・・。実際到着すると、流氷??というような水面が割れてまた固まった氷のストラクチャーのラインだけが見えるホワイトアウトの世界。一面白、白、白のモノクロームの壮大な景色が広がっていました。しかも誰もいないし、ステートやってる人。

大きな大きなキャンバスに木の棒でお絵描き。

最後に友人に記念写真を撮ってもらいました。この壮大な景色を独り占めのバーボフカ一家でした。私も息子も凍った湖の上は初体験で、地元の友人に感謝です!今度は私たちもスケートを用意して挑もうと思いました。

 

ナーホドそり遊び
2026年1月19日 月曜日

12月はホワイトクリスマス、1月に入ってからもたくさんの積雪のあったナーホド(チェコ北東の街です。)。我が家は早速そり遊びを楽しみました。ちなみにソリはおじいちゃんに貸してもらったクラシカルな木製のソリ。

息子は現代的な装備、バーボフカ父は第一共和国時代を彷彿とさせるスタイル・・・あくまでも、雪が降っても、誰に何を言われようと、戦前の装いに固執するバーボフカ主人。

おじいちゃんの家からすぐの裏山には、50メートルを優に超える長ーい坂、ソリ滑りにはもってこいの丘があります。(写真はおじいちゃん撮影です。)

私はソリ遊びというか、ソリを曳くのに疲れて退却、隣で雪だるま作り。バーボフカ息子に写真を撮ってもらいました。

これもおじいちゃんの写真。引っ越して初めての冬。寒いけど、チェコの自然を満喫できる楽しい時間を過ごすことができました。

レースの博物館レポート
2025年11月2日 日曜日

今日はヴァンベルクという街の話。バーボフカ息子は最近空手に精を出していて、この町で行われた全チェコ松濤館カップに参加するために家族みんなでバスに乗って行って参りました。こじんまりしたちょっと寂しげな街です。この街はマリアテレジアの帝政の時代から、レースの制作が盛んで、初めてチェコでレースの専門学校が設立されたことでも知られています。

バーボフカ息子が同僚の試合の応援に夢中になっている会場をこっそりと抜け、一人でレースの博物館に行ってきました。

こちらがそのレース博物館。土日はチェコの田舎の街の商店や喫茶店はもっぱら休業ですが、ひっそりと開館しています。早速中へ。

やっぱり誰もいない・・・独り占めの空間です。20世紀初頭のレースの商品見本から始まり、大小の古いレースが展示されています。

ここでチェコにおけるレースの歴史のお話。

ヨーロッパ中を巻き込んだ戦乱、30年戦争の後戦果を逃れて移住したオランダからの貴族が、遥々チェコのヴァンベルクに辿り着き、そこに根を下ろしました。この貴族の奥方がレースの機材と共に技を街の住民に伝授、そこからレース作りが始まったそうです。それが17世紀末の話。そして時代はバロック。

その当時、ヨーロッパ貴族の服飾として華麗な装飾を競うパーツの大切な一部としてレースが盛んに使用されました。チェコでも国外でも貴族の襟や袖元に、ヴァンベルクのレースが使われて、18世紀にはこの街のどの家庭でもレースの生産が行われていたといいます。

婦人もまた子供や男性までも昼夜を問わず、レース作りをしていたということです。レースと言っても色々ありますが、もっぱらこの地方のレースというとボビンレースを意味します。一本の糸に一つの木製のボビンを取り付け、図案通りに手作業で編み込んでいく気の遠くなる作業です。

こちらはその木製のボビン。レースを作るときの覚書とともに展示されていました。

写真で見て解りますように、枕のような丸いクッションを膝に乗せ、糸を針で固定しながらボビンを交差させて、レースを完成させます。左下にあるのは、行商人の担いでいた木箱。(富山の薬売りのような感じ。)冬の始まる前に商品見本を持って行商、その場で注文を受け、その注文を冬の間にヴァンベルクの職人さんたちが仕上げます。雪の溶ける頃にまた発注先に完成したレースと新しい商品見本を持って、参上するという仕組みだそうです。

こちらはセセッション様式のレースの展示。セセッションといえば、我らがアルフォンス・ミュシャ!でなんと左上の写真はそのミュシャがデザインしたレースの写真。

そしてうっとりするレースを使ったアンティーク・ドレス。立体的な肩下のバラ模様がまた豪奢で美しいドレス。(来世にはこんなドレスを着れる機会がありますように・・・)

優雅な植物紋様のボビンレースと針作業の手作業の美しさ。ここでも堪能させていただきました。

こちらは古いレースの設計図をもとに、地元のレースクラブの方々が制作したレース。あらためて完成品を見せていただくと、レースひとつにもここまで精魂を込めていた古き良き時代があったのは、日本もチェコも同じだなぁと感動します。

20世紀前半、ヴァンベルクのレース現場で忘れてはいけないレースのデザイナーの記事。新しいモダーンなレースのデザイン考案したレジェンド。なんと我らがすむナーホド出身の女性でした。(親近感が湧きます。)

ということで、今回は息子の空手熱が繊細なレースにつながるというわらしべ長者的な不思議な週末のレポートでございました。ヴァンベルクはナーホドから車で50分、バスを乗り継いで一時間半の街です。レースホテルという可愛らしいホテルもあります。毎年一回街で開催されるレース祭りに合わせて訪問されるとより楽しいと思います。

ヴァンベルクの伝統についてのHP:http://tradice.vamberk.cz/

 

 

 

巨匠イジー・トルンカ 再発見
2025年9月30日 火曜日

先日プラハで5月末からプラハで開催されているロングランのイジー・トルンカ展に行ってきました。イジー・トルンカはバーボフカでも開店当時から取り扱っている絵本のイラストレーターですが、アニメ・人形作家としても国内外で高い評価を受けている言わずもがなのチェコの巨匠です。ポスターを見るだけでワクワクしてきます。

会場は3階建、今日は結構時間かかりそうだなというのが第一印象。:)

一番最初に展示されているのは1940年代の『小人の引越し』(仮題)というタイトルの作品。若干30歳にしてこの完成度。それぞれの小人の動きや表情が楽しくて、最初の一枚目にして大幅に時間を費やす「危ない」展示。ww

こちらはトルンカの中ではちょっと珍しい油絵。自画像や家族のポートレイト。なるほどと、巨匠の素養の深さや安定感を改めて再認識。このベースがあるからこそ、高く飛べる自由と体力が獲得できるわけだと勝手に納得。右上に実験的な自画像があるのもまた納得。試行錯誤がそのままマスターピースになってしまうような、めくるめく才能を感じます。

続く油絵作品。「劇場モチーフ・俳優たち」と「俳優」という名の2枚。ふかふかしたぶ厚い布団に似た包容力を感じる情緒豊かな作品。(ちょっと意味不明でごめんなさい。)

ここで改めてみんなのよく知る我らが巨匠!写真!勝新太郎を彷彿とさせる存在感と色気!

と思いきや、これは貴重な若干20代の貴重な写真。巨匠めっちゃハンサムじゃん❤️!!(そしておしゃれ!)

(髪型は若い頃からずっと一緒なのねとか内なるコメントが自分でうるさい私。)

今回改めて来てよかったと思ったのは巨匠のパペット以外の造形作品。オリジナルな詩情溢れるしっとりとした塑像作品の数々に私以外のチェコ人も腰をかがめて見入っていました。

物憂げな王様と、小さなお馬に乗った王子の塑像。そこだけ永遠の時間が流れているような異次元空間が広がっているような雰囲気のある作品。

こちらは四季シリーズの『春』

こちらは『秋』

階段を上がって待っていたのは、絵本のイラストレーションの原画作品群。こちらはコレクターズアイテムにもなっている貴重な『赤ずきんちゃん』原画。ちなみに、3D構造でお人形で遊べる仕組みだったため、市場では良い状態で残っているのが大変珍しい絵本です。

バーボフカでもおなじみ『DVAKRAT SEDM POHADEK(7X2のおはなし)』年少さん用に可愛らしいイラストが満載の私も大好きな一冊です。

アニメーション作品とともに人気の「ふしぎな庭」。日本でも刊行された世界的に有名な一冊。ふわふわとした楽しく可愛らしい描画の中に、作品に対する妥協を許さないトルンカの厳しい姿勢が感じられます。「すごい・・」の一言。

ただのコンポートなのに、なんだこの可愛さは!?

階、もう一つ上がって人形コーナー。アニメ作品でもお馴染みのキャラクターたちが勢揃いです。

人形アニメの『シュパリーチェク』面々。衣装も表情もとっても素敵。それぞれが動き出しそうな感じがしてきます。

他にもたくさんのイラストやお人形が展示されていましたが、本日はここまで。
そのほか今回の展示用にまとめられたドキュメンタリー映画もあり、子供の頃からの逸話など知れて、とっても勉強になりました。勉強はあまりできなかったけど、家の地下に大きなシアターを作り上げてしまった子供時代のトルンカ。程なくしてお父さんにばれて、怒られてシアターごと薪として燃やされてしまったとか。溢れる才能は隠しても抑圧しても、とにかく無駄ってことです。

簡単なパソコン編集のインスタント・アニメを見ている昨今の子供たちもに、熱量の比較できないチェコの巨匠たちの手作りアニメをもう一度見てほしいと思った展覧会でしたが、来館者はほぼ私と同じ世代かそれよりもずっと年配の世代がほとんどでした。トルンカの世界は意外と大人向けなのかもしれません。

私は幸い2回も足を運ぶことができました。チェコにいる幸せを噛み締めた一日でした。

チェコでは8月の後半に毎年恒例で行われる国際フォークロア・フェスティバルがあります。我らが街、ナーホドからなんと15分もかからない小さな町、チェルヴェニー・コステレツで開催されますが、この期間はチェコ中からこのお祭りのために、沢山の観光客がこの街に集まります。なんと今年で71年目。世界で一番古い国際フォークロア・フェスティバルなんだそうです。

中世の時代を思わせるベルギーの旗の演舞から始まり、こちらは ↑ とってものどかな雰囲気のパルドゥビツェ市からのフォークロアです。

 

こちらはスロヴァキアのブラチスラヴァから。回れー、回せーの賑やかな可愛らしいダンスを披露してくれました。

 

ちなみに、この日は雨も降りとっても寒い日になりました。吐く息が白く、朝方はなんと5度前後!それでも観客席はたくさんの人でいっぱい。

こちらは見ての通り、スコットランドのバグパイプと太鼓の演奏。各国のカラーがそれぞれ際立って「伝統」ってやっぱりいいなーって心が熱くなリます。

こちらは観客投票で一位を獲得したアルゼンチン・チーム。情熱的、感情豊かな印象深いダンス。踊ってる皆さんが一番楽しいんだろうなと感じさせる熱量高いパフォーマンスでした。

周りにはローカルな伝統工芸品や食べ物の屋台が出ていました。こちら、食べる時は(飲む時も笑)ご機嫌のお馴染みのバーボフカ・ボーイズ。もう15年も同じ人がテントを出しているチェルヴェニー・コステレツの豚肉のグリル、とっても美味しかったです。また来年もきっと来ようと思います。