2015年12月16日(水)
今日はデザインスーパーマーケットの話題の続き。
こちらはグラフィック集団ナポリのブース。
ナポリはペーパークラフトや、紙のおもちゃを主に制作しているグラフィックデザイナーの集団で、日本でも展示や販売のある人気の高いグループです。
チェコの紙ものでは一番人気の彼女たちもブースは、いつものように子供たちで賑わっています。
ブースの壁一面にペーパークラフトの新作が展示されていて、大人の私もワクワクです。
紐を引くとフクロウが羽ばたく、楽しい仕掛け。
子供は手を出さずに入られません。
こちらは私がゲットしたロケット発射のレターペーパー。
お手紙として発送できますが、もらった人はロケットの発射・惑星着陸のペーパークラフトととして楽しむことの出来る嬉しいセットです。
誰に送ろうかなー。自分でたのしんじゃおうかなーなんて・・・。
こちらはLEEDAというブランドのブースです。
カットの美しいシンプルな服が多く大人なお洒落っこに人気のブランド。
こちらはデザイナーのルチエさん。
私が今回気に入ったベスト。とても肌触りのいいカシミアでお値段は55000円前後。
家に帰って数日悩むことに・・・。
チェコのモデルさんが着るとこうなります。
もう一つおまけにLEEDAのファッションをご紹介。
LEEDAのfacebookページでもっと作品が見られます。
普段は古き良き「おっとり」チェコをご紹介しているバーボフカですが、実はチェコの最新デザインシーン、モダンでハイセンスなものも沢山あります。

また、次のデザインレポートを乞うご期待!
2015年12月14日(月)
プラハでは右も左もクリスマスのムードで溢れる中、今週末カフカの生まれた家でデザインスーパーマーケットが、開催されています。
これがそのカフカの生まれた家。ピンクやブルーにライトアップされひと際目立っています。
プラハでは近年デザインをテーマにした催し物が、頻繁に開催されています。
出版物や雑貨、文具、服飾などチェコの若いデザイナーが制作した様々な商品が、プレゼンテーションと販売の目的でブースに並びます。
こちらは双子のデザイナーマケエヴァ姉妹のブース。
グラフィックと服飾を一つのテーマで姉妹で制作しています。
こちらは友だちのヘレンカ・ハインツのブース。
彼女は最近チェコで大ヒットのせっけんを販売しています。
彼女のウェブサイトはこちら。

手作りで制作される石けんは、とても優しい匂いとエネルギーがつまったせっけん。
この日もひっきりなしにお客さんの対応をしていました。
彼女の石けんはパッケージも洗練されていてとてもおしゃれ。
今のクリスマスシーズン、プレゼントにもぴったり。
こちらはデザインスーパーマーケットの館内の様子。
思い思いに展示品を楽しむ人達。
文具のコーナー。
チェコの人達も何だかここ十年ですごくおしゃれになってきた・・・と言ったら失礼でしょうか。
こちらは磁器のブース。
こちらは地方の工場で靴下を制作している方。
昔ながらの製法で高品質の素材を使って、モダンなデザインの靴下を制作しています。
次回は、チェコでデザイナーLEEDAとグラフィック集団Napoliの話題をお届けします!(続く)
2015年12月4日(金)
前回に続いて「民藝」のお話。
先日は名もなき民藝についてご紹介しましたが、今回はチェコの作家ものの民藝。
チェコのコロヴェチュという村に1785年から7世代にわたって代々陶器を作っている一家がいます。

その名もヴォルフ一家。

チェコでは「クラシックな陶器」と聞いたとき、ヴォルフ一家の陶器を思い浮かべる人がすくなくありません。
その土地の土を使い、土の性質を生かしたとても素朴な作りで、装飾も大変シンプル。
チェコのベテラン、また若い陶芸家の中ではその一見なんでもない素朴な陶器は
民藝の最高傑作の一つに数えられ、現在7代目のルドルフ・ヴォルフさんは、民藝のマスターと呼ばれています。
装飾や全体的な趣は、単純で主張のはげしいものではありませんが、それだからこそ長く使って初めて理解できる使いやすさや美しさ、さらには機能美といったものが、これらの陶器にはあります。
私が一目惚れをして購入したルドル・ヴォルフさんの作品の一つ。
ルドルフさんの作品と言っても、製法もスタイルも7代ほとんど変わっていません。
ジャガイモをいれたり、ザワークラウトを入れたりするのに使われたりましていますが
私は自家製の味噌を入れて使っています。
赤茶の肌が特徴の、厚手の陶器。重さは見た目ほどはなく、
味噌がたっぷり入っていても、重さは気になりません。
波形のシンプルな模様もチャーミングで、使えば使うほど愛着の湧いてくるお品です。
陶器肌、厚いわりには軽めの陶器、
味噌を入れると、昔から日本にあった日本の陶器のような感じで違和感がありません。

こちらはまたまたクラシックなタイプのカップ型のヴォルフ一家の陶器。
こういう風に、おしゃもじや菜箸を入れて使っている家庭もあります。
キッチンのすみで、さり気なく、渋く、いつも佇んでいる私の宝物。
写真はヴォルフ一家の古い写真。
一番左の男性がルドルフさんのおじいさん、一番右が少年の頃の7代目ルドルフさん。
ルドルフさんも今では、マスターの名で尊敬される年配のおじさまです。
写真はコロヴェチュの技術工芸博物館からお借りしました。
その他の写真はこちらで見る事が出来ます。
陶器以外にもうひとつ。
ヴォルフ一家について、みんなが知っていること。
それはヴォルフ一家の人柄です。
陶器でお金を稼ぐことより、陶器がチェコの家庭で愛されて、長く使われることを一番の幸せとしてずーっと陶器を作ってきた、その姿勢が、チェコの陶芸家たちの尊敬を集めている理由です。
自分の個性やスタイルを追求するより、長い時間を経て自然と洗練されたスタイルや形を大切にするそんな姿勢が陶器にもまた反映されています。チェコに来て10年その陶器の良さが私にもやっと分かりかけてきた気がします。
2015年12月1日(火)
この陶器たち、チェコのバザール(骨董屋)で見かける常連。
こちらでもまさに民藝と言う呼び方で愛されています。
限りなく「チェコ的」だけど、作家ものなんかでもなく、まさに名もないチェコの民藝というところ。
どこの家庭にもあった素朴な陶器で、今でこそバザールの常連として国内ではちょっと、流行遅れのきらいがあります。
日本でも80-90年代、民藝なんて見向きもされなかった時代とちょっと似ています。
私もバザールで出会うたびに「チェコにはこんな民藝のスタイルがあるのかー。」からはじまり、チェコ生活10年経った今ではすっかりなじみの物たちになりました。
質のいい磁器製品が豊富なヨーロッパですので、素朴な陶器を生活で使用するスタイルは洗練された磁器のスタイルとはなかなか相容れない様な気もしますが、私の生活の中に、じわじわっと浸透してきているから不思議です。
日本にもチェコにも長く生活で親しんで見えてくる美しさや魅力があることが知れます。
次回はもう少し大人チェコの民藝をご紹介します。

乞うご期待。